子どもの素朴な疑問
「なぜ子どもは早く寝ないとだめなの?」
「赤ちゃんはどこから来たの?」
「なぜ男と女は体が違うの?」
あなたは幼い頃、こんな疑問を持ちませんでしたか?
そういったことを親に質問すると、「コウノトリが運んできたのよ」などと筋の通らない返答をされたり、困った顔でごまかされたりしたのではないでしょうか。
大人になるということ
なぜ?なぜ?を繰り返すうち、子どもは「知らないほうがいいこともある」ということをやり取りの中で察知します。
大人になるということは、余計な好奇心を持たなくなること。
成長とともに事実の探求をやめ、周りと同じように表面上の平和を保って生きるようになります。
言えない大人 言う子ども
赤ちゃんはどこから来たのか訊いてはいけない、というような「大人の空気」は、『裸の王様』のお話からよくわかります。
どう見ても王様は裸なのに、「自分がおかしいと思われたくない」「黙っていれば平和だ」と大人は誰も口に出せない。
子どもは何も知らないから「王様は裸だ!」と言えましたが、その子だっていずれ成長して、空気を読む大人になっていきます。
いや、でも、裸じゃん
書いててイライラしてきてしまった。
だって裸じゃん。
事実はそこにあるのに、なんで大人は言ってはいけないのか、言わないのか。
子どもに言っちゃいけないことをつくる意味なんてあるのか。何がコウノトリだ。
地上波のテレビでも少女漫画にも性的な描写は無限に出てくるしどうせ数年後には嫌でも知ることになるのに、大人は責任と面倒を放棄しているだけじゃないか。
……とまあ、多くの子どもは空気を読むことを覚え大人になっていくわけですが、それができない子どももいます。
まさにいま「謎の大人の空気」に怒りが湧いているわたしのようにね。
そういう子は「変な子」「おかしい子」として軽蔑されてしまいます。
そういった経験のある子どものひとりが、精神分析に興味を抱くのではないか――
京都大学の教授はそのように言います。
★京都大学2015年度最終記念講義 松木 邦裕(教育学研究科 教授)「私説 精神分析入門」
つまらない大人になるな
年齢を重ねたからって、好奇心を捨てる必要はありませんよね。
目を開けていても、見えていなければ寝ているのと同じ。
生きづらさから目を背けてなにも見ないで死ぬのは私はいやです。
不都合な真実に向き合って生きる、それが精神分析を学ぶということです。
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